内容説明
素粒子の質量の起源をあかす「対称性の自発的破れ」というアイディアはいかにして生まれたのか?ミクロコスモスにおけるクォークのふるまいを示す「漸近的自由」の考えはどのようにひらめいたのか?自然界の統一的理解をめざしたはずのクォーク理論が新しい粒子がつぎつぎに加わって百家争鳴状態にあった1978年夏。東京で開催された高エネルギー物理学国際会議のために来日したベテラン、新進気鋭の物理学者二人が、のちにノーベル物理学賞受賞の対象になったお互いのアイディアをめぐり、熱く語り合った歴史的対話篇。
目次
素粒子の宴(現代クォーク理論の前線―単純なパラドックスの不在が意味するもの;反対称に憧れる自然―空腹な牛はどっちの草を食べるか;重力量子のフィジカル・イメージ―重力のしぶきと空間の泡をめぐって;物質は数えられるか―リンゴとミカンのあいだの問題;量子は任意な時間系を選ぶ―ネコ時計、物理学者時計;「崩壊」がなぜ「力」なのか?―閉じ込め理論の意味するもの;物理学者の脇見―何気なくやってくる「漸近的自由」;クォークの将来―「閉じ込め」は可能か;見える対称性、見えない対称性―「宴」の余韻のなかで)
東京‐大阪‐プリンストン‐シカゴ 素粒子物理学者の飛跡―南部陽一郎インタビュー
著者等紹介
南部陽一郎[ナンブヨウイチロウ]
1921年福井市生れ。東大卒業後草創期の大阪市立大に赴任。52年に渡米、プリンストン高等研究所を経てシカゴ大学教授となる。ベーテ=サルピーター=南部方程式の導出、素粒子の超伝導体模型の発案、クォークの「カラー」の前ぶれとなった三重クォーク模型や、閉じ込め理論の先駆となったヒモ模型の提示等、国際物理学界のスプリンターとして、つぎつぎに最先端のテーマに挑戦、自在なアイディアを放出しつづけている。日本の後進の指導にも熱心で帰日もしばしば。76年オッペンハイマー賞受賞、78年文化勲章受章。2008年度ノーベル物理学賞受賞
ポリツァー,H.D.[ポリツァー,H.D.][Politzer,H.David]
1949年ニューヨーク生れ。ミシガン大学卒業後ハーバード大学でシドニー・コールマンの指導によりクォーク論の高エネルギー状態における矛盾を検討。現在QCD(量子色力学)の基礎になっている「漸近的に自由な場の理論」を73年に発表。翌74年に博士号修得。シカゴ大学客員教授を経て77年より「クォーク理論のメッカ」カリフォルニア工科大学准教授。2004年度ノーベル物理学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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