出版社内容情報
■目次より
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序 想像力の源泉への旅
序論シャーマニズムの衝撃
シャーマニズムへの関心の高まり
啓蒙・学術探検の時代
一八世紀のシャーマニズム報告書
第一部 物語から事実へ──ヨーロッパのシャーマニズム受容
第一章 シャーマニズムのパラダイム
マルコ・ポーロからイエズス会士へ
ロバート・バートンほか医学界の評価
プロテスタント神学者の対応
神託の伝統の変質
第二章 一八世紀の探検報告
記録する探検家の台頭
シャーマンを否定する探検家・受け入れる探検家
エロティックな観念
シベリア先住民報告からアメリカ先住民研究へ
第三章 相互作用・変容・消滅
人間の想像力へのアプローチ
ロシアのシャーマニズム研究の動向
芸術的創造力の起源としてのシャーマニズム
先住民文化の中に生き続けるもの
第四章 医学者が見たシャーマニズム
心身医学のあけぼの
ツィマーマンの精神医学
フランクの予防医学とフーフェラントの病理学
リヒターとユング=シュティリングの洞察
第二部 虚構と空想への回帰──一八世紀芸術とシャーマニズム
第五章 ディドロ『ラモーの甥』とロシアの影響
エカチェリーナの『シベリアのシャーマン』
ディドロの『百科全書』
『ラモーの甥』の波紋
舞台芸術家は一八世紀のシャーマン
第六章 ヘルダーの芸術家シャーマン論
旅行記評論から『言語起源論』へ
古代歌謡の評価
シャーマンは人間社会に不可欠の存在
憑依、シャーマニズム、非合理の再評価
第七章 オルペウスの再来、モーツァルト
天才論の興隆
神童モーツァルト
当代のオルペウス頌
ゲーテとホフマンによる神話化
第八章 ゲーテが描いたシャーマンたち
反ニュートン主義の金字塔『色彩論』
ゲーテの修業時代
若きヴェルターの自滅
謎の少女ミニョン
第九章 ファウスト、近代のシャーマン
一八世紀シャーマニズムを統合した『ファウスト』
第一部 ヴァルプルギスの夜の意味
第二部 シャーマンへの道
ファウストの冥府への旅で描かれたこと
登場人物のシャーマン的傾向
科学的方法と直観の共存
男性原理から女性原理へ
後記 シャーマン学序説
内容説明
シャーマニズムは古代より人々の想像力を刺激してきた。とりわけ、シベリア、グリーンランド、南北アメリカにおいて見聞されたシャーマンの報告書が18世紀のヨーロッパで出版されるようになると、思想、宗教、芸術、医学の面に多大な影響を及ぼしていく。『百科全書』を編纂したディドロを、オルペウスの再来とされたモーツァルトを、そして『ファウスト』を書いたゲーテを、シャーマニズムの観点から捉え直すとき、そこからは従来の研究では見過ごされていた意外な側面が立ち現われてくる―。西洋文化の伏流としてのシャーマニズムに光を当てる画期的な試み。
目次
序論 シャーマニズムの衝撃
第1部 物語から事実へ―ヨーロッパのシャーマニズム受容(シャーマニズムのパラダイム;一八世紀の探検報告;相互作用・変容・消滅;医学者が見たシャーマニズム)
第2部 虚構と空想への回帰―一八世紀芸術とシャーマニズム(ディドロ『ラモーの甥』とロシアの影響;ヘルダーの芸術家シャーマン論;オルペウスの再来、モーツァルト;ゲーテが描いたシャーマンたち;ファウスト、近代のシャーマン)
後記 シャーマン学序説
著者等紹介
フラハティ,グローリア[フラハティ,グローリア][Flaherty,Gloria]
1938‐1992。元・アメリカ、イリノイ大学ドイツ学科教授。没後、北米ゲーテ・ソサエティに「グローリア・フラハティ奨学基金」が設けられた
野村美紀子[ノムラミキコ]
1940年、東京生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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