出版社内容情報
伊万里焼・有田焼、博多人形、熊野筆、山中漆器、京鹿の子絞、京繍…男性優位の工芸の世界に風穴を開けた女性伝統工芸士たち。 独自の美を追究する12人の「人と作品」に迫る。カラー多数。
8/1付東京新聞夕刊にて、鎌田慧氏が「ノンフィクション評判記」で紹介。
……ハイテクと量産体制によって、この世界も縮小にむかっているという。いわば、日本がつくりだした伝統美も衰退しそうなのだ。それをくいとめるため、制作者の仕事の魅力をつたえようとする著者のモチーフは明快である。……
■目次より
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第一部 世界へ、そして未来へ
第二部 「12人の匠」それぞれの冒険──新しい伝統美をつくる!
2-01 伊万里・有田焼──青木妙子(あおき たえこ)
伝統の里から、新しい冒険がはじまる!
2-02 伊万里・有田焼──市川翠子(いちかわ すいこ)
女手ひとつで、伊万里の窯を守る!
2-03 博多人形──井上あき子(いのうえ あきこ)
能面に魅せられ、作品にいのちを吹き込む人形師
2-04 熊野筆──伊原木嘉世子(いばらぎ かよこ)
「生きた毛」との深いつきあいから生まれる名筆
2-05 東京手描友禅・上田環江(うえだ たまえ)
二人三脚で、それぞれの道を行く夫婦作家
2-06 山中漆器──大下香苑(おおした こうえん)
色漆で多彩な「蒔絵」世界を描く表現者
2-07 京友禅──岡山武子(おかやま たけこ)
新しいの友禅染を実現したい!
2-08 京くみひも──梶操(かじ みさお)
果てしない夢を「くみひも」づくりに託す女性工芸士
2-09 京鹿の子絞・川本和代(かわもと かずよ)
一年を超える手仕事の積みかさねから生まれる絞りの美
2-10 京繍──下司喜三子(げし きみこ)
「間」のリズムが描く奔放なイメージ
2-11 西陣織・爪掻き本綴織──小玉紫泉(こだま しせん)
見果てぬ夢を追い、斬新なデザインに挑戦
2-12 博多織──伴和子(ばん かずこ)
どこまでも深いブルー、そして茜色に燃える海