出版社内容情報
■本文解説より
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江戸時代に絵心のある人によって描かれた一巻の奇妙な絵巻物が残っている。『怪奇鳥獣図巻』と題したこの肉筆の絵巻には、76種の異容な鳥獣がつぎつぎ登場している。作者は明らかではないが、ただし、これらの怪獣奇鳥の生まれは疑いもなく、すべて中国大陸であった。どれもが江戸時代の人びとには目にすることのない怪異な鳥獣類であった。……それらの多くは江戸時代よりはるかの大むかし、中国の『山海経』という書物に姿を現わしている。『山海経』は古代中国に著わされた一種の地理誌であるが、そのなかに各地の山川に棲む怪異な姿の神々や妖怪たちが記録されている。
内容説明
不可思議な鳥獣、異様異体の鬼神たちが次々に登場する「怪奇鳥獣図巻」は、江戸の無名の絵師によって描かれた極彩色の絵巻物。中国古代の奇怪な博物誌『山海経』からの引用を中心としつつ、来歴不明の「妖怪」たちも少なからず顔を見せる。古代中国と江戸期日本のイマジネーションが交差する幻の妖怪絵巻の全貌をオールカラーで初公開。
目次
精衛
数斯
駝鶏
長尾鶏
神陸
比翼鳥
燭陰
帝江
天馬
白鹿
天狗
当康
龍馬〔ほか〕
著者等紹介
伊藤清司[イトウセイジ]
1924年(大正13年)岩手県に生まれる。慶応義塾大学文学部卒。慶応義塾大学教授、同言語文化研究所長を経て、現在、慶応義塾大学・雲南大学名誉教授。専攻は中国古代史、民族学。著書に『日本神話と中国神話』(学生社)、『中国の神獣悪鬼たち』(東方書店)、『昔話伝説の系譜』(第一書房)、『中国古文化与日本』(雲南大学出版社)、『死者の棲む楽園』(角川書店)等がある
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