出版社内容情報
文学だけではなく、感覚の科学の先駆者・批判的科学史家として活躍したゲーテ。ニュートン光学に反旗を翻し、色彩現象を包括的に研究した金字塔。世界初の完訳版。
■目次より
目次
教示篇・論争篇
歴史篇
『色彩論』図版集
感想・レビュー
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ニュートンは『光学』で光自体に色はなく、色彩は光の屈折から起こる定量化可能な属性とした。一方著者は認知の側から色彩を捉え、光と闇の認知が関わる境界や縁を取り出す。青-紫は真紅へ、あるいは黄-橙は真紅へ動く。太陽が昇りそして沈むのを見ると色彩は移り変わる。これを著者は色彩環なる円形図で示す。図では円の直径をなす線の両端に位置する色は補色関係を成す(赤に対して緑、青に対して橙が補色)。この関係は今も街並みに溢れている。この研究は理論的「教示篇」、ニュートン批判中心の「論争篇」、色彩の「歴史篇」の3部からなる。2017/02/25