出版社内容情報
■著者紹介:レメディオス・バロ Remedios Varo
内容説明
エロスの戯れ。「レメディオス・バロ展」開催記念出版。バロ自身による自作品解説30点を収録。
目次
1 夢のレシピ
2 魔女のテクスト
3 イメージの実験室―バロ自身によるバロ展
4 地球の思い出―バロのアルバム
5 メキシコの魔法の庭―バロとキャリントン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
市太郎
44
レメディオス・バロが書いた文章の断片集。書かれていることは結構理解が難しい。絵の説明も興味深く面白いがファンタジーで、考えていることが凡人には良くわからない。しかし、バロを知るには重要な書。ちょっと不思議な事を考えているな、と彼女の頭の中をちょっと覗けたみたいでうれしい。理解出来ないから、惹きつけられるのだろう。絵はカラーでは載っていないので当然画集としては無理。バロ好きのための本といったところ。…関係ないと思うけれど、これを読んでいる時に「そうだ、詩人になろう!」と決意している夢をみました。夢魔のせい?2013/12/18
yn1951jp
35
レオノーラとレメディオス、異国メキシコに友情で結ばれたシュールレアリストの魔女。二人と親交のあった野中雅代が『メキシコの魔法の庭』のなかで「さる秘儀に通じた者たちの集まりのように…古くからの探求、すなわち、小宇宙を大宇宙と結び合わせる失われた未知の発見にいそしむ」亡命シュールレアリストたちの精神探究的創作活動を紹介している。二人は「どこへ行くのか?想像力と情熱が二人を呼ぶところへ…彼女たちは誰の手本にもならない。自分のヴィジョンに忠実である…真正の画家は創造することによって、自分自身から解脱する。」 2015/02/07
るすみら
17
幻想的な味わいが濃厚な絵画で知られる画家、レメディオス・バロ(1908-1963)の書いた本。シュールレアリストのノート、とでも言う風情の1冊。本を読む感覚ではなく、ノートを覗かせてもらっているという感じが面白かった。白眉はなんといっても3章、イメージの実験室。副題にバロ自身によるバロ展とあり、自分の絵画に対する説明が記されている。これは兄に送った文章だそう。絵の写真の裏に書かれたという説明は、とても興味深かった。また、訳者、野中雅代さんによる、メキシコの魔法の庭-バロとキャリントン-という文も良かった。2009/06/25
rinakko
10
ねぶねぶ読んでいた素敵な本。ずっと前から気になっていたのに、やっと手にした。「夢のレシピ」から「魔女のテクスト」への流れは、不思議で悪戯で軽やかで深刻…な言葉たちの誘いが嬉しくて隅々まで堪能した。先に目を通した解説「メキシコの魔法の庭」には、亡命シュルレアリストたちの交流やボヘミアン生活、キャリントンとの親密な友情と戯れ、魔術の探求、バロの不安と苦悩についてなど詳しく触れられている。“バロには魔術を客観性と照応させようとする資質があった”という記述に、なるほど…と。異国へ流離った魔女の魂に思いを馳せる。2017/06/07
月
4
レオノーラ・キャリントンとバロの絵画から二人の書物にも興味を持ち本書に手を伸ばす。バロによるシュルレアリスムの影響が大いに盛り込まれた作品集。書については、時に皮肉と風刺、仲間とのパロディ、ブラックユーモア、時に垣間みえる不安と苦悩、そしてバロ自身の深層に眠る独自の才能(表現力)が絵画と連動する。本書は何より訳者(野中雅代氏)の註釈が素晴らしい。絵画については、バロとレオノーラ、ともに画家として独特の魅力と感性(神秘と幻想)を醸し出しており、二人の作品には惹き込まれるものがある。 2022/10/23
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