内容説明
本書は、古代ギリシア・ローマ以来の記憶モデルの変遷を跡づけ、中世に開発された奇怪な記憶術の数々を紹介するとともに、記憶術が社会制度・伝統に対して果たした役割、文芸に与えた影響、さらには読書と記憶、著述と記憶の関係、そして数々の貴重図版とともに、記憶のために書物のレイアウトがいかに工夫されたかを明らかにする。中世ヨーロッパ社会における記憶の働きに初めて光をあてた画期的研究書。記憶術と書物のレイアウトとの関係を明かす図版30点収録。
目次
第1章 記憶の諸モデル
第2章 記憶の神経心理学的解釈
第3章 初歩の記憶法
第4章 記憶術
第5章 記憶と読書の倫理
第6章 記憶と権威
第7章 記憶と書物