出版社内容情報
物理学とインド哲学、定常宇宙論と空海の密教、生物学と神秘学、現代美術とタオイズム…専門性・分業性の閉塞状況を破る全自然学論考。情報文化論を展開する著者の処女作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
阿部義彦
12
今年に亡くなった松岡正剛さんのエッセイの断片を集めた本です。71年創刊の雑誌『遊』に連載された「自然学曼陀羅」他その前のエッセイも含まれます。20代の若書きですが、自然に有る図形から鉱物、磁力、流線形、(当時はフラクタルなんて言葉無かった)、相似率と名付けて、今読んでも半分も理解出来ない有様です。後書きに1968年がターニングポイントとあり、この年に五月革命、キング牧師暗殺、キューブリックが『2001年~』公開、ディックの『電気羊は~』出版、吉本隆明の『共同幻想論』出版等。若書き故の斬れ味。空恐ろしい。2024/12/30
3247
2
のんべんだらりと読んでいたので(読むのが人並み外れて遅いからいつものことだけど)雑駁な印象しか残っていないが、本書で試みられたのは宇宙や自然といった無辺な事柄について、われわれが普段それをとらえ考えるものさしや、細分化された科学や学術による宇宙像・世界観を読みなおすことにあるのだろうと思った。ここに登場する碩学たちや、あるいはポーやデュシャンらの企図、そうした試みは稲垣足穂翁以来絶えて久しいのではないかと。序盤でガウスが登場するあたりが滅法面白かった。掉尾のエッセイが本書を把握するのに役立った。2016/02/08
モモのすけ
0
「もともと生物進化は情報進化であった」2009/08/30
ロバーツ
0
松岡正剛の原点。2024/11/16