感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
29
天文学とニューイングランドの自然とを、詩的文章で綴ったエッセイ。ソローについて多くの引用があるので、「森の生活」も読んでみたくなった。原著から30年以上経つとはいえ、ダークマターについての話題や、宇宙の終焉についての考察など、今も通用する話も多い。沼沢地の鳥についての記述が、神話と結びついたり、また天文学に帰るなど、渾然一体となった文章が、壮大さを感じさせてくれる。2016/12/15
いやしの本棚
15
いま眩しいものが読めないので、夜のくらさに包まれる感じが、ちょうど良かった。難しい話ではなくて、詩の引用などがたくさん散りばめられていて、読みやすい。子どもの頃に見たあの怖いくらいの星空を思い出した。あと、ルバイヤート。「夜はわたしの母である。わたしは星くずからできている。わが肉体のすべての原子が星の中で作られた。」―301ページより2017/10/15
きゅー
8
何度も読み返した一冊。生命の強さ、自然の美しさ、物理法則の端正さを、詩的に感得できる稀有な一冊。今でも目を瞑ると、世界が燃えているのを感じることが出来る。
○○○ ○○
2
「きのうボストン共有地公園で、スケートボードに乗った若者が、子供と衝突するところに出喰わした…子供が空中にいる間、自転する地球は、彼女を半マイルほど東へ運んでいた…太陽系が天の河の星の間を漂う動きは、子供をゆっくりとヴェガ星の方向に二〇マイル移動させる」。「夜空を観察する技術は、五〇パーセントが視覚の問題で、五〇パーセントが想像力の問題である」とする著者によって、古典や神話と最新の科学的知見が自在に往還し、森林に咲く真っ白な蘭の花がマルチバースと関係を結ぶ宇宙が描かれる。個人的には史上最高の科学エッセイ2022/04/02
ディーポ
2
何度も読み返すべき一冊。 宇宙の音を感じよう。この世界の美しさを心に抱いていこう。
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- 和書
- Mist 双葉文庫