出版社内容情報
杉浦康平=造本による、本の中央に直径7ミリの穴をあけたオブジェ・ブック。「カフェの開く途端に月が登った」、幻の名著「宇宙論入門」等を収録。工作舎30周年記念復刊。
■目次より
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tomo*tin
10
私は足穂マニアでも何でもないのだが本書は本当に好きで、理由はうまく言えないが、亡くなった祖父から貰った本だということもあるのかもしれないし、装丁が物凄く好みだとか内容が凄まじくクールだとか、相対性理論や物理学や宇宙なんかが廻り廻って人間の深淵を覗き込む感覚だとかに、早熟な少年の美学や純粋なオッサンの憧憬を感じるからなのかもしれない。でも万人受けはしないと思う。2009/03/20
わんにゃん
4
ガチなタルホファンしか読まなさそうな本だな。ユークリッド空間あたりが苦手なので「カフェの開く途端に月が昇った」の冒頭なんかはよく分からなかったけれど、「宇宙論入門」は「こちらが地上からくる光と突っくんで走っているので、次の瞬間の光を迎えるわけにはゆかない」だとか、作家らしい例えを用いて説明してくれていたから、今までわからなかったところの感覚が掴めて驚いた。情報が少ない割には面白い。個人的には第四章がお気に入りだね。ところで本を開いてて思ったけれど、真ん中の穴は月かしら?2021/07/05
端川
3
「宇宙論入門」がすごい。たいへんむつかしいので五割も咀嚼しきれた気がしないけれど、第六章の「弥勒」を思わせる大展開には息を呑んだ。このたぐいの話題をこれだけの熱量をもった文章で読めるのはまずタルホ以外では在りえないだろう。タルホの交友歴や芸術に対する視線がうかがえる回想録「カフェの開く途端に月が昇った」、エッセイや掌編小説の集積した表題作も十二分にたのしめる。しかしヘンな本だな。穴があいているのはまえから知っていたけど、図版の入れ方もいいかげんキテレツだし。カバー裏背表紙にまで文章詰めるか、ふつう。2016/05/08
オフ会@大阪
3
第1回このジャケットがすごい!@読書メーター大阪オフでおおにしさんが紹介した本です。2014/01/18
シュエパイ
2
タルホのかたる宇宙とかいろんなもののはなし。……で、一番気になるのがあれだ、なんで真ん中に穴開いてるの・・・?2011/08/03