出版社内容情報
宇宙飛行士たちの証言でも話題になった「地球というひとつの生命体」。大気分析、海洋分析、システム工学を駆使して生きている地球を実証的にとらえ直す。ガイア説の原点。
■ガイア理論(ガイア仮説)
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ラヴロック博士が提唱した科学理論。バクテリアから人間にいたるすべての生命と、大気や海洋などの環境とが一体となって、機能し進化している地球。博士はこの地球の姿を動的に「ひとつの生命体」として捉え、ギリシア神話の地母神の名をとって「ガイア」と呼んだ。
「ガイア」は、ディープエコロジーの端緒を開き、フロンやCO2問題などの地球環境を考えるためのキーワードとして広く浸透している。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あっきー
19
⭐3 著者と訳者の考え方にズレがあるとの評があるが自分としては最終章の訳者のヒッピー崩れ的考えの方に近いし、本当はもう少しこっち側を詳しく知りたい位だ、地球上の生命が何らかの形でつながりあい惑星全体でひとつの集合意識ないし集合無意識のようなものを形成している、という考えだが訳者が影響を受けたというホール・アース・カタログを何とかして手に入れたいなー2022/11/06
しゅん
15
地球自体が一つの自律生命体であるというガイア仮説。ウィリアム・ゴールディングが名付けた「ガイア」という名は今では一般的に流布しているが、そのスタート地点はここ。大気中のガスの比率、海の塩分配合率、あるいは気温などがいかに奇跡的なバランスを持つか。本書は「地球は生きている」という直感に対する科学的論拠を提示する。正しいかどうかはわからないが、研究欲を刺激するテーマではある。バクテリアが爆発的に広がることで生命が死滅する想定をSF劇の形で書いてる箇所がおもしろい。ドーキンスのガイア仮説批判はどこで読めるのか?2018/11/21
be2fo
3
あかん!俺は地球や!地球や! ⠀ ⠀ ( ՞ةڼ ) ? ? ? ? ? ? ? ?? ? ? ? ? ? ? ?2017/11/18
☆☆☆☆☆☆☆
3
影響力のわりに意外と穏当な主張という印象。いわゆる科学の発展もガイアの一部とみなし、むしろ急進的環境保護運動こそが自然を意のままにしようとする傲慢さであるとして切り捨てるなど、根拠のない独善を排した冷静な地球観だと思う。ただ訳者の人はかなり(おそらく意図的に)誤読をしている。ラブロックの言う知性は意識ではないし、ガイアは人間に語りかけなどしない(我々は体内のウィルスに語りかけるだろうか?)。あくまでも論理的に描き出された地球の自己調整機能を、宗教的に擬人的に陳腐化することは、まさにガイアへの冒涜であろう。2015/10/24
iwtn_
2
ガイア仮説。生命が積極的?能動的?に自身の生存圏を構築・維持しているとするもの。生存バイアスというか、適者生存で片付けられないか?とも思える。また、システムとしてそう動いていることと、能動性など意識があるような(人間のですら定義できていないのに)見方は、よく区別しないといけないだろう。色んな方面に影響を与えた本なのは事実だとは思う。人新世という言葉の流行は落ち着きつつあるように見えるが、その原点でありそうな本である。死は個体性の代価である、という言葉は響いた。ホロン構造が見える。個とは何か。2022/12/11