出版社内容情報
長い鎖国の時代から開国して一気に帝国主義国の仲間入りを果たして「一等国」になったと思ったら、日中戦争・アジア太平洋戦争の大敗北。
アメリカの庇護の下、復興から高度経済成長へと突き進み、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と賞賛されたと思ったらバブル崩壊、以後は「失われた10年」が20年、30年と続き、近年はパンデミック・戦争・大インフレが追い討ちとなって政治も経済も没落の一途をたどる日本社会。
登りつめたと思ったら転落を繰り返すこの国の歴史を、「無能」と「失敗」をキーワードにして読み解き、「後ろ向きにしか進めない国・日本」の現在地を探る。
内容説明
大失敗を生みだす者たちの正体を暴く社会学的分析。無能な日本の世襲政治家、傲慢な欧米の知的エリート。
目次
プロローグ 無能ということ―愚行と失敗に覆われる世界
第1章 「すること」から「であること」へ―丸山眞男の憂い
第2章 七月八日の銃声―「お友だち政治」の果てに
第3章 恫喝と冷笑―「声」を圧し潰す力
第4章 明仁が丸山を読む―「象徴」とは何か
第5章 「訓練された無能力」はその来歴を語りうるか
第6章 日本の「訓練された無能力」―後ろ向きにしか進めない国
第7章 勉強のできる愚か者が世界を滅ぼす―暴走するメリトクラシー
第8章 日本における驕りと屈辱の諸相について―メリトクラシーの機能不全
第9章 『失敗の本質』から何を学ぶか―日本的組織の病理
第10章 オリンピック、パンデミック、ジャニーズ―「崩壊の時代」の諸相
著者等紹介
小谷敏[コタニサトシ]
1956年鳥取県生まれ。大妻女子大学人間関係学部教授。専門は現代文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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