出版社内容情報
日清戦争(1894-95)で最多の「戦死者」を出したのは、日本でも清国でもなく朝鮮だった──。
日清戦争のきっかけとなった、「東学党の乱」として知られる東学農民戦争(甲午農民戦争)は、過酷な農民収奪に耐えかねた「第1次蜂起」と朝鮮王宮に押し入って国王を擒にするなど日本軍の主権侵害・侵略行為に対する抗日運動としての「第2次蜂起」に分けられる。
日本政府・大本営はこの民衆蜂起を弾圧するため、「虐殺専門部隊」として後備第十九大隊三中隊を新たに朝鮮に派遣した。この部隊が東学農民軍を済州島まで追いつめ、殲滅した。
本書は、日本でひた隠しにされてきた日本軍最初のジェノサイド作戦の歴史事実を、日韓の共同研究にもとづき、新史料を交えて明らかにした労作である。
内容説明
日清戦争で最多の「戦死者」を出したのは、日本でも清国でもなく朝鮮だった―。日本でひた隠しにされてきた日本軍最初のジェノサイド作戦の歴史事実を、日韓の共同研究にもとづき、新史料を交え、生々しく伝える!
目次
1 日清戦争をめぐる歴史の記憶
2 東学農民戦争はどうして起こったのか
3 日本軍最初のジェノサイド作戦(朝鮮全土でわき起こった東学農民軍の再蜂起;川上操六の「悉く殺戮」命令―殲滅作戦の序曲;包囲殲滅作戦と大本営―殲滅大隊への派遣命令;連山の戦闘現場―日韓の共同調査から;乱発された殲滅命令;一日本軍兵士の「従軍日誌」から)
4 東学農民戦争の歴史をあるく
5 東学農民革命と現代韓国
著者等紹介
中塚明[ナカツカアキラ]
1929年、大阪府に生まれる。日本近代史、特に近代の日朝関係の歴史を主に研究。奈良女子大学名誉教授。2023年逝去
井上勝生[イノウエカツオ]
1945年、岐阜県に生まれる。幕末・維新史を研究するが、1990年代後半から東学農民戦争の研究に踏み込む。北海道大学名誉教授
朴孟洙[パクメンス]
1955年、韓国・全南に生まれる。円光大学校名誉教授。北海道大学文学研究科博士課程修了、文学博士。1980年代後半より東学および東学農民革命に関する歴史研究に取り組みつつ、現在はハンサリム運動(生命・環境運動)の指導者として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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