出版社内容情報
コスタリカは一つの国として平和のモデルを示した。軍隊を完全になくし、もめ事は武力や威嚇でなく穏やかな交渉で解決する。しかも一国のみの平和に甘んじるのでなく、世界に平和を輸出している。平和国家の具体的な見本だ。
平和は単なる理想ではない。平和は現実である。それを地で行くのがコスタリカだ。コスタリカが見本を示した非武装国家は、その後、パナマやハイチなどにも広がった。今や世界の20か国以上が軍隊を持たない。コスタリカが主導した国連核兵器禁止条約は、2021年に発効した。
本書は、中米の「小国」の選挙システムや憲法法廷、教育・医療制度、環境保護活動などを紹介しながら、自由と民主主義、人権「大国」で育まれる人びとの意識を探る。そして、平和を少しずつ目に見える形にしているコスタリカにならい、日本の憲法9条をただ持っているだけでなく、9条を活かして世界に平和を広める努力を提言する。
コスタリカを知れば希望が湧いてくる!
内容説明
どうしたら平和や人権に満ちた世界を創れるのか!?「軍隊を持たない国」中米・コスタリカの人びとの世界に通じる平和国家の作り方、その価値観や国づくりを通して、私たちが目指す国や社会をいっしょに探りませんか―。
目次
序章 軍隊をなくしたら、豊かになった!(実現したカントの夢;兵舎を博物館にしよう;攻められない国づくり)
第1章 平和、民主主義、人権大国(純粋な人生―コスタリカとの出会い;「平和の輸出」を実践;民主主義の現場を見る;自立のための教育;小学生も違憲訴訟―人権国家)
第2章 人間にも自然にも優しい環境と社会(環境の平和;北欧並みの社会保障;コーヒーが奏でた歴史;みんなコスタリカを目指す)
第3章 もっと深く知ろう、コスタリカ(軍隊を廃止した背景;選挙最高裁判所は民主主義の砦;国連平和大学の授業を受けた;憲法を活用する憲法法廷;国立歴史博物館の展示から)
終章 日本への教訓(日本をこんな国にしよう;攻められたらどうする;米国従属からの脱却;日本の裁判システムを変えよう;社会変革の方程式;九条の会;コスタリカと連携して)
著者等紹介
伊藤千尋[イトウチヒロ]
1949年、山口県生まれ、東大法学部卒。74年、朝日新聞に入社しサンパウロ支局長(中南米特派員)、バルセロナ支局長(欧州特派員)、ロサンゼルス支局長(米州特派員)を歴任した。2014年に退職し、フリーの国際ジャーナリスト。「九条の会」世話人。NGO「コスタリカ平和の会」共同代表。これまで世界82か国を現地取材した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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