内容説明
子どもの権利条約を学ぶことが、子どもが豊かに育つ場としての学童保育を子どもと共につくっていくためのヒントになる!
目次
第1部 子どもの権利条約と学童保育(子どもの声を聴かない社会;学童保育支援員に不可欠な子どもの権利条約;「子どもの権利条約」を知る;子どもの権利条約を学童保育で活かす)
第2部 子どもの権利条約 条文解説(子どもの定義;差別の禁止;子どもの最善の利益;締約国の実施義務;親の指導の尊重 ほか)
著者等紹介
安部芳絵[アベヨシエ]
1975年大分県別府市生まれ。2006年、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。2009年、博士(文学)。早稲田大学文学学術院助手、助教を経て、2015年より工学院大学教育推進機構教職課程科准教授。厚生労働省社会保障審議会児童部会放課後児童対策に関する専門委員(2017~2019)。東京都立川市夢育て・たちかわ子ども21プラン推進会議副会長(2017~)。公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン理事、一般財団法人児童健全育成推進財団理事。高1・中2・小5男子の母で、3人とも学童保育育ち(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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katoyann
18
学童保育に携わる支援者を対象として、子どもの権利条約に基づいた子ども支援の重要性を解きつつ、同条約の逐条解説も加えた、子どもの権利に関する入門書。公園で遊ぶことが禁止される一方で、早期から習い事を強いられ、成果ばかりが求められる社会的な傾向の中で、子どもは健全に発達しているとは言いがたいと指摘されている。結局、親や大人の所有物としての子ども観が優勢であるために、子どもにとっては大変生きにくい社会になっていると著者は言う。子どもの権利行使を保障するパートナーになるためにも参考になる一冊である。2024/02/28
ねこ
7
「子どもが変だと思ったら、まず自分のものさしを疑う」という言葉が印象的。例えば、子ども権利条約を学んだとき、子どもたちが真っ先に反応するのは「遊ぶ権利」。もっと遊びたい。夕焼けチャイムが早過ぎる。まだ明るいのに。そんなふうに、子どもがいったらどうするだろう。いやいや、そんな意見まで聞くことはできないと、すぐに言いそうになる自分がいるけれど、そこでちょっと踏みとどまり、子どもたちの声に耳をすませ、いっしょに考えてみる。すると思わぬ扉が開けたりもする。2022/12/15
ユウ
2
非常に平易に子どもの権利条約の逐条解説をすると共に、学童保育への活かし方を説明する。子どもの権利条約を、子どもと関わる現場の個々人の意識に落とし込み、現場において子どもの権利条約が実践され、子どもの権利が守られるよう求める良書であった。学童保育に限らず、広く社会的養護にも汎用性のある内容に感じる。2021/12/20
Hiroyuki Asano
0
子どもの権利宣言第7条3段落『子どもの遊びとレクリエーションのための十分な機会をもたなければならない。その遊びとレクリエーションは、教育と同じ目的に向けられなければならない。社会および公の機関は、この権利の享有を促進するよう努力しなければならない。』2024/12/30