内容説明
どこで、どのように戦死させられたのか―。北海道で生まれ沖縄で死んだ兄の影を追う。さまざまな出会いと検証。作家の眼でオキナワと日本の現実を問う「魂」のエッセイ!
目次
1 沖縄で戦死した兄
2 故郷があるということ―兄の足取り
3 初めての沖縄行き
4 オキナワの痛点―一九九三年二月
5 戦後七十年、沖縄を思う
6 小説家・目取眞俊の仕事
7 事実が迫ってくる―二〇一五年四月
8 沖縄慰霊の日―二〇一五年六月二十三日
著者等紹介
加藤多一[カトウタイチ]
童話作家。1934年、北海道紋別郡滝上町に農民の子として生まれる。1958年、札幌市職員となる。札幌芸術の森創設の実務責任者を務めた後、52歳で退職。1987年、稚内北星短期大学教授。5年勤務の後、執筆活動に専念。1976年『白いエプロン白いヤギ』『ふぶきだ走れ』で童話作家デビュー。以後、主に北海道を舞台とした多くの作品を手がける。1985年『ふぶきの家のノンコ』で第1回北の児童文学賞、1986年『草原 ぼくと子っこ牛の大地』で第26回日本児童文学者協会賞、1992年『遠くへいく川』で第22回赤い鳥文学賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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黒豆
2
北海道人のお兄さんがなぜ沖縄で死んだのかを、何度も沖縄に行き確かめようとした加藤さん。悲惨な沖縄戦のこと、辺野古のこと、戦後どうやって沖縄の人たちが生きてきたかなど知らなかったことばかりだった。せめて自分が生きている間は記憶の中に兄をとどめておきたいという加藤さんの気持ちがよくわかった。2019/05/11
Machida Hiroshi
1
著者は、40冊以上の著作を持つ児童文学の作家です。沖縄戦で戦死した兄輝一の足跡を追って8回沖縄を訪問取材し、本書を書き上げています。 摩文仁の丘をはじめとして数々の戦跡を巡り、様々な分野の人々と出会い、語らい、辺野古や高江の座り込み現場も訪れ、今も戦中である沖縄への理解を深めていった先に辿り付いたものは、国民の「思考停止装置」としての天皇制でした。 81歳の著者の、今もなおたぎるような熱い叫びを皆にも届けたい。 内地で戦後を生きるものが、戦中を生きる沖縄を知るために是非読んでおくべき一冊だと思います。 2016/02/01
おはなし会 芽ぶっく
0
読書会【子供に伝えたい戦争・平和の本】2016/08/23