内容説明
うらみ・つらみ・ねたみ・そねみ、そして「世界」「空気」日本社会に吹き荒れるバッシングの正体を解き明かす。
目次
1 日本人が最も恐れる「世間」というモンスター
2 天皇制とたたかう―「空気」「世間」に抗った人びと
3 「畜群」対「個人」―河野義行のたたかい
4 オウム化する日本社会―宗教学者・島田裕巳の受難
5 「非国民」を排除せよ!―イラク人質事件
6 暴走する被害者意識―対北朝鮮バッシングと嫌中嫌韓
7 「自民党をぶっ潰した」郵政民営化選挙とは何だったのか?
8 「巨大なる凡庸」―光市母子殺害事件弁護団へのバッシング
9 「引き下げ民主主義」考―公務員・正社員・生保受給者は何故叩かれるのか
10 わが“逃走”―「ハシズム」の運命
著者等紹介
小谷敏[コタニサトシ]
1956年鳥取県生まれ。大妻女子大学人間関係学部教授。専門は現代文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
どんぐり
72
強者が弱者をたたく「日本型バッシング」、人の生活を破壊してしまうほどの取材攻勢に晒される「メディアスクラム」、自分よりもわずかに恵まれた立場にある者を叩くことで留飲を下げる「引き下げ民主主義」、自分がほかの者に比べて、不当に損な立場に置かれていると感じる「相対的剥奪感」、自分よりも下だと思っている人間が恵まれた境遇に置かれていると感じる「負の相対的剥奪感」、あるいは「弱者同士の内ゲバ」。この国のジェラシー渦巻く病根を紐解いているのが、非常に面白い。バッシングの例題は、外務省沖縄機密文書漏洩事件、右翼に銃撃2020/07/10
startvalue
2
★★★★★2024/11/18
gontoshi
2
良い本ですね。 今の日本人と日本を考えさせられます。 テレビ等のマスコミを巨大な凡庸と言っているのは その通りだと思います。2019/02/09
吃逆堂
2
近年の違和感たっぷりな状況を、すっぱりと解いてくれる好著。より多くの人に読んでほしい。 このあたりの問題って、ネット社会で醸成されているものみたいに現代的な側面もあるけれど、「B層」と丸山眞男の「亜インテリ」「疑似インテリ」の親近性を考えると、通時代的な側面もかなりあるのかもしれない、とか思ったりした。2013/08/04
ヒヨドリスキ
1
日本社会の「うらみ・ねたみ・そねみ」を色々な事件から研究。タイトルが秀逸なんだけど中身は微妙。ちょっともう少し身近な事例だったら好かったな。2013/07/08