内容説明
独自の作風で06年日本漫画家協会賞大賞を得た異色の漫画家が、「おしらさま」「雪女」「ざしきわらし」「河童」「サムトの婆」など14話を選び、遠野につづく北上山地に育った少年期の記憶を核に描き出した、夢と現実の接点に広がる遠野物語のイメージ!物語とあわせ、それを生んだ当時の人びとの心象風景を伝える。
著者等紹介
勝又進[カツマタススム]
1943年、宮城県桃生郡河北町(現、石巻市)に生まれる。古川工業高校卒後、会社勤めをへて東京教育大学理学部物理学科に入学、大学院へ進み、原子核物理学を専攻。1966年、漫画家として、白土三平、水木しげる、つげ義春らの活躍していた『ガロ』でデビュー。1969年、『ガロ・勝又進特集号』で最初の短編作品「河童郎」を発表、以後四コマ漫画とあわせ短編の分野で独自の作品世界をつくりだす。2006年、『赤い雪』で日本漫画家協会賞大賞受賞。2007年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ジュール
4
遠野物語の続きで絵本も。絵があるとより具体的に想像できる。2021/12/18
にこにこ
4
遠野物語読みたいなあ、と思って適当にエントリしたら、絵本が来ちゃった。不思議な話が好きな小学生が読んで、もっと読みたいなあと柳田国男の世界に広がっていく入口の本。挿絵がちょっとコワいんだけど、それも遠野物語によくあっていると思う。2015/12/18
ヒラP@ehon.gohon
2
遠野物語は様々な民話をまとめたものなので、本によって収録されている作品が違ったりします。 表紙にもある「おしらさま」に象徴性を感じました。 この本は勝又進さんの描く「遠野物語入門」の感があり、物語をそのまま語るというよりは、解説書としての性格が強いかもしれません。 劇画的な絵と、遠野の民俗を小さく描いた挿絵が、勝又さんの遠野物語に向ける思いを伝えています。2013/11/24