内容説明
昭和初期、日本が“思想と良心の牢獄”だった「暗い谷間」の時代、ヒューマニズムから非合法活動に飛び込み、ひたむきに生きた若い女性の記録。埋もれていた歴史の暗部が、今ここにみずみずしくよみがえる。
感想・レビュー
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KocmocKocma
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不屈の本棚⑥2022年12月 著者は横真名事件犠牲者小野康人氏の妻。著作には他に『横浜事件―三つの裁判』『横浜裁判―妻と妹の手記』 横浜事件は犠牲者が多く、再審裁判は個々の犠牲者がそれぞれの論点で起こした(まとめるのは困難だった由)。木村まきさんと同様小野貞さんも犠牲者の配偶者で実はかなりの年の差婚で比較的最近までご存命で治安維持法犠牲者家族として名誉回復と補償を求めることに心を砕いておられた。この『谷間の時代』はまさに治安維持法下の青春を描き、私の祖母は「まことさん」という名で登場している。2003/12/10