内容説明
本書は、「医学原論」完成と直接に、「医学体系」を確立することができた証明である。ここに「医学体系」は、「医学とは何か」の本質論をふまえ、「常態論」を基盤とした「病態論」と「治療論」を二本の柱として、さらにそれぞれに、原論レベルでの「本質論」、「構造論」、「現象論」を有する学問体系として創出されたのである。そしてこの原論的体系は、自らの半世紀にわたる医療実践の事実を、弁証学・認識学・論理学を一体化した論理で、すなわち哲学レベルで理論化したものであるだけに、学問的にも医療実践的にも志ある人を導く確かな指針となり得ると自負している。
目次
序の編 学問としての医学体系とは何か(医学体系とは何か;『医学原論(上巻)』の要旨)
第1編 医学体系の構造論としての治療論(治療論は医学体系の構造論の一つである;治療論の構造を説く ほか)
第2編 医学体系の構造論としての病態論(医学体系の一般論措定から病態論に至る過程;病態論の構造論を形成する二つの構造の論理 ほか)
終の編 医学原論を終えるにあたって(医学原論への道;医学原論からの道)
著者等紹介
瀬江千史[セゴウチフミ]
東北大学医学部卒業、医学博士。医学への道を志すも、未だ学問の名に値する医学の存在しないことを知り、医学の体系化こそ自らの生涯を懸ける対象と決意し、医療を学的実践の場として理論化への道を歩む。爾来十有余年にして体系化の骨格を構築し得、その本質論的一般論として「医学の復権」(現代社)を世に問う。その後、四十年のWissenschaftとしての学的研鑽を重ねることによって、医学原論を完成、ここに学問としての医学体系を確立す。理論医学研究会代表幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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