内容説明
ニューヨーク世界貿易センタービルの崩壊は、建築における近代合理主義の崩壊を象徴していた。1995年の阪神大震災は、近代都市の脆弱さを露呈した。都市風景の破産は進行し、20世紀都市は敗滅したのではないか。都市と建築の再生は可能か。阪神大震災の死者への鎮魂の思いと反省から、新世紀の都市は癒しの空間として構想されるべきであろう。東洋の叡智に学んだ庭園を主体とする「庭園曼荼羅都市」を提案する。
目次
1章 建築の再生(土建行政と国土の荒廃;建築の自己破産;近代主義の罪 ほか)
2章 機能の深化(深層意識)へ(「再生平安京」と「庭園曼荼羅都市」;何故鳳風堂か;歴史は再生の手立てになるか ほか)
3章 新世紀の都市像―庭園曼荼羅都市(計画の動機と阪神大震災;近代都市計画批判;曼荼羅都市論 ほか)
著者等紹介
渡辺豊和[ワタナベトヨカズ]
1938年秋田県角館町生まれ。1961年福井大学工学部建築学科卒業。1964~70年RIA建築総合研究所。1970年渡辺豊和アトリエ開所主宰。1972年渡辺豊和建築工房に改称主宰。1981~90年京都芸術短期大学教授。1991年京都造形芸術大学教授現在にいたる。工学博士(東京大学)。主な作品に龍神村民体育館、角館町立西長野小学校、秋田市体育館、他多数。1987年日本建築学会賞(龍神村民体育館)
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