内容説明
台湾「解放」は建国初期中国の最重要課題であった。建国期中国の台湾、朝鮮戦争、ベトナムに対する軍事戦略の内的連関性を明らかにしつつ、国内の「抗米援朝」運動、国連戦略までも視野に入れ、中国の安全保障戦略を歴史的に検証。
目次
序論―課題の設定と先行研究の検討
第1部 台湾「解放」戦略をめぐる中国の安全保障戦略と周辺環境(中国人民空軍建設援助に関する中ソ交渉について―中華人民共和国成立前夜の交渉;中国の台湾「解放」作戦と朝鮮戦争参戦問題;建国初期中国のベトナム支援の決定について―中国の台湾「解放」とその周辺環境の安定をめぐって)
第2部 朝鮮戦争の開戦と中国の国家防衛をめぐる国内外戦略(朝鮮戦争と中国の東南沿海地区防衛戦略(一九五〇‐一九五二)
中国の朝鮮戦争参戦と「抗美援朝」運動
中華人民共和国建国初期の国連戦略と中ソ関係―台湾「解放」と朝鮮戦争の遂行をめぐるジレンマ)
第3部 朝鮮戦争の停戦と中国の安全保障戦略の変容(朝鮮戦争の停戦交渉と中国―軍事境界線問題をめぐる中国の交渉戦略;朝鮮戦争の停戦交渉と中国の対ベトナム戦略の位相―朝鮮戦争後の中国の軍事戦略と安全保障問題をめぐって)
著者等紹介
服部隆行[ハットリタカユキ]
愛知学院大学文学部歴史学科非常勤講師。1969年生まれ。1997年愛知学院大学大学院文学研究科歴史学専攻博士課程満期退学。愛知県県立高校期限付教諭、社団法人中国研究所所員、慶應義塾大学地域研究センター(現東アジア研究所)客員所員などを経て、現職。2004年博士(文学)を取得(愛知学院大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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