内容説明
ブーバーの人間学の特質が検証される最も適切な場は、人間関係の特別な現場である教育の場である。彼は生涯、広い意味での教師としての立場にあって、対話的人間学を実践した。第一章では、ブーバーの「教育論」の特質を明らかにした。第二章では、ブーバーの「共同体論」の基礎構造を明らかにした。第三章では、「現代の精神状況における神の蝕」の現象をブーバーの人間学的視座から解明した。最後の第四章は、ユダヤ教とキリスト教という宗教的領域における宗教的実存の二形態を考察し、現代における真の宗教的実存の可能性を探求した。
目次
第1章 教育思想の人間学的基礎(ブーバーの教育思想成立の歴史的背景;『教育的なるものについて』の教育思想 ほか)
第2章 共同体論の基礎構造(人間存在の共同性;人間の間柄 ほか)
第3章 現代の精神状況における「神の蝕」(隠れた神と現代の思想状況;神の蝕の人間学的構造 ほか)
第4章 宗教的実存の二形態(信仰の二様式;『新約聖書』における信仰の多様性 ほか)
著者等紹介
稲村秀一[イナムラシュウイチ]
1944年鳥取県に生まれる。1973年広島大学大学院文学研究科博士課程修了。1987年フライブルク大学留学(~88年)。岡山大学教授、文学博士
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