認識視点と因果 - 日本語理由表現と時制の研究

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認識視点と因果 - 日本語理由表現と時制の研究

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  • サイズ A5判/ページ数 149p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784874245804
  • NDC分類 815
  • Cコード C3080

出版社内容情報

現代日本語の理由表現とそこに現れる時制形式の性質について、「知識」「認識視点」および「時間」という要素を軸に主に意味論・語用論的側面から分析を行った書。理論言語学者だけでなく記述的な立場をとる研究者にも有益な一冊。

現代日本語の理由を表す表現カラ・ノデを中心として、そこに現れる時制形式の性質について、主に意味論・語用論の側面から分析を行う。従来の先行研究では説明できなかった動詞基本形の分布と時間関係の解釈について、動詞基本形の意味論と時制形式の解釈の基準時を、知識の持ち主の観点から定めることによって説明を与える。

序 

第1章 序論
1.1 考察の目的・中心概念
1.2 知識についての知識
1.3 本書の構成

第2章 視点付き命題と理由文
2.1 はじめに
2.2 視点付き命題と視点なし命題
2.3 視点付き命題に言及する言語表現
2.3.1 感情・感覚の述語
2.3.2 個人的な好みを表す述語
2.3.3 認識モーダル表現
2.4 視点付き命題と認識視点の転換
2.4.1 発話文脈と認識視点
2.4.2 認識視点を転換する言語表現
2.4.3 補足:疑問文における認識視点の制約
2.5 理由文の用法と認識視点
2.5.1 カラ・ノデ文の用法
2.5.2 理由文の意志性と視点付き命題
2.5.3 カラ・ノデ節における認識視点の決定
2.6 理由文の統語構造
2.6.1 認識投射
2.6.2 日本語の節レベルとの関係
2.7 理由文の意味論
2.8 本章のまとめ

第3章 時制と視点の転換
3.1 はじめに
3.2 前提:現代日本語の時制形式と解釈
3.2.1 時制形式と単文における解釈
3.2.2 複文における時制解釈
3.2.3 因果構文における時制形式の分析
3.3 問題点:因果構文における例外的事例
3.4 「観察」と「非難」:岩崎の分析
3.4.1 観察が関わる因果構文
3.4.2 非難が関わる因果構文
3.4.3 3.4 節のまとめ:観察および非難が関わる因果構文の特徴
3.5 認識視点に基づく時制解釈
3.5.1 観察の因果構文の分析
3.5.2 非難の因果構文の分析
3.6 本章のまとめ

第4章 観察の因果構文について
4.1 はじめに
4.2 第3 章の分析の補足と修正
4.2.1 時制形式の意味論:再掲
4.2.2 観察の開始・終了時点について:テイル形との比較
4.2.3 意味論の修正
4.2.4 カラ・ノデ節の出来事のアスペクト的特徴について
4.3 不定形分析への批判
4.3.1 不定形分析の概要
4.3.2 観察の因果構文とNI report との比較
4.3.3 不定形をとるその他の動詞
4.4 「観察」と知識
4.4.1 「知識」の基盤と過去・現在・未来
4.4.2 なぜ「観察」が関わるのか:基本形で表される知識
4.5 本章のまとめ

第5章 非難の因果構文について
5.1 はじめに
5.2 副次的意味の詳細
5.3 先行研究:総称文分析と視点分析
5.3.1 総称文分析
5.3.2 視点分析
5.4 知識状態と非難の因果構文
5.4.1 原因となる出来事についての知識が問題になる場合
5.4.2 因果関係に関する一般的知識が問題になる場合
5.4.3 補足:主体ごとに知識が異なる場合
5.4.4 5.4 節のまとめ
5.5 認識視点による意味論的分析
5.6 「過去における予測」と否定的ニュアンス
5.7 本章のまとめ

第6章 結論

著者あとがき
参考文献
索引

【著者紹介】
滋賀県甲賀市出身。
京都大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。
京都大学GCOE研究員の後、2011~2012年に「頭脳循環を活性化する若手研究者海外派遣プログラム」フェローとしてゲッティンゲン大学、シカゴ大学で研究。
現在、京都大学ほか非常勤講師。専門は日本語の意味論、語用論。