漢語の言語学

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  • サイズ A5判/ページ数 181p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784874244937
  • NDC分類 814
  • Cコード C3081

出版社内容情報

日本語における漢語の言語学的な構造・機能を、幅広い分野に渡り新しい観点で捉えることを目的とする。漢語が日本語の語彙を豊かにするだけでなく、新しい理論開発に繋がる、世界的に希少な現象を提供していることに気づくだろう。

これまでの日本語に関する研究書の中には、「漢語」を、漢字・熟語の語源・語義、言語教育の観点から見たもの、和語・外来語と比べて語構成上あるいは社会言語学的な特性を記述したもの、または、源語・方言との比較に基づく歴史的な音韻変化の面、漢語による造語・名付け機能と各時代文化との対応といった側面から捉えたものが多く見られる。本書では、そのような伝統的な枠組みからは少し離れ、日本語における「漢語」の言語学的な構造と機能とを、現代の言語学の潮流の中で、新しいアプローチで捉えることを狙いとしている。「漢語」という語種の持つ言語学的な特性の記述は、個別の分野においては数多くの研究があり、またその分野も多岐に渡るが、本書のようなアプローチで「漢語」の諸問題を再検討することにより、従来の専門研究書では見えにくかった理論的な問題、各分野で独自に提起されてきた問題の依存関係・共通性などが明らかになり、それがこれからの言語研究の新しい問題提起につながることも十分有り得るであろう。(本書 まえがきより)

日本語形態論における漢語の特異性
影山太郎
音韻交替の二類と漢語の連濁
高山知明
漢語音韻の習得可能性について
太田光彦
大阪方言の漢語式保存と「一語性」
田中真一
日本語の諸方言における二字漢語のアクセント
─単純語と複合語の狭間で─
小川晋史
数詞「三」と「四」について
田端敏幸
“一字漢語スル”型動詞をめぐって
三宅知宏
漢語接尾辞「~中」によるアスペクト用法
─「~ている」との違い─
大島弘子
字音形態素「新」の造語機能
中川秀太
新造語における「度」「系」「力」の用法
中島晶子

【著者紹介】
大島弘子 (おおしま ひろこ)