内容説明
今日の日本語研究では、研究分野が細分化され、その影響もあってか、個別的な事実の報告は数多くあるが、その個別的な事実が一体何を意味するのか、それらはお互いにどのように関連するのか、といった、組織的・包括的な考察は少ない。本論は、日本語の文法に見られる個々の事実が何を意味するのか、それらの事実の背後にどのようなシステムがあるのかを見つけ出すことを目的とする。本論では、大きく分けて二つの問題を扱う。一つは、日本語の接続表現の違いとモダリティとの関係である。もう一つは、ノダ、ワケダという、先行研究では「説明のモダリティ」などと言われるものである。
目次
第1章 本書のねらい、構成、意義
第2章 節の連接とモダリティ
第3章 ノダの思考プロセス
第4章 ワケダ、ワケデハナイ
第5章 節の連接と思考プロセス
第6章 結論と今後の展望
著者等紹介
角田三枝[ツノダミエ]
東京生まれ。成城大学文芸学部英文学科卒業。ロータリー財団大学院課程奨学生として、オーストラリア、マクォリー大学に一年間留学。名古屋大学大学院、文学研究科日本言語文化専攻修士課程修了。お茶の水女子大学大学院、人間文化研究科国際日本学専攻博士後期課程修了。博士(人文科学)。通産省工業技術院国際研究交流センター日本語講師を経て、現在つくば日本語クラス(TaNo‐C)主宰
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