内容説明
本書は、日本語の主語をめぐる先行研究の問題点を鋭く指摘し、日本語の文に「主部」―それについてある事柄の実現性のあり方が語られる対象―という概念が必要不可欠であることを提唱する。そして、「は」「も」「が」「こそ」「って」のような助詞や無助詞形式による主部提示のスキーマ的機能を認知言語学的視点から明快に分析する。伝統的な国語学やこれまでの日本語学の分析を超え、斬新で説得的な分析を提示した意欲的博士論文。
目次
第1部 現代日本語における主部の本質(主語肯否論;日本語における文の機能―「主部」の提唱;述部の構造;二重主部構文)
第2部 現代日本語における主部の諸相(「は」による主部提示;「も」による主部提示;「が」による主部提示;「こそ」による主部提示;「って」による主部提示;無助詞形式による主部提示;感嘆・希求名詞一語文による主部提示;主部の不提示)
著者等紹介
竹林一志[タケバヤシカズシ]
1972年、茨城県生まれ。2001年、学習院大学大学院人文科学研究科日本語日本文学専攻博士後期課程単位取得満期退学。現在、日本大学(国際関係学部・商学部)・大東文化大学・和光大学・学習院大学非常勤講師
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