内容説明
起伏に富んだ漱石と鏡子の夫婦生活は、福岡県内を巡る新婚旅行から始まった!ほとんど「破滅的」といわれることもある漱石夫妻の家庭生活。その実相を、熊本時代の漱石の暮らしに焦点を当て、多角的に照らし出す。
目次
第1章 漱石の新婚旅行(裏長屋式の珍な結婚;俳人の錚々たる者 ほか)
第2章 漱石のヒロイン鏡子(天上の恋;地上の愛 ほか)
第3章 漱石と小天温泉の女(鏡子「自殺未遂」;結婚二年、五月の危機 ほか)
第4章 作家漱石の誕生へ(鏡子のラブレター;留学後の誤算 ほか)
著者等紹介
小宮洋[コミヤヒロシ]
1943年、福岡県生まれ。福岡教育大学卒業後、福岡県内の高校で国語教師を勤める。退職後、漱石研究を続けてきた。月2回、福岡刑務所の受刑者に国語(古典)を教えている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あいくん
7
☆☆☆☆著者は福岡県の高校国語教師だった方です。大半は福岡県高校国語部会の福岡地区の機関誌に2013年から3年間にわたって連載されたものだそうです。漱石の熊本時代の生活について主に書かれています。内容的には草枕交流館や熊本の漱石研究の資料も交えて分かりやすいです。先日読んだ、安住恭子さんの「草枕の那美と辛亥革命」と重なる内容もありました。1896年9月に漱石夫妻は福岡県内をめぐる「新婚旅行」に出かけました。このあと婚姻届を提出して正式に夫婦になります。漱石は29歳、妻の鏡子は19歳でした。 2017/12/24
sashi_mono
5
漱石夫婦の旅行先が地元ということもあり、関心をもって読んでみたが、「漱石の新婚旅行」と銘打っている割には、当の記述は、第1章のみにしか割かれておらず、完全なミスリードだと思った。実際は熊本時代のふたりの関係を焦点にした評論集といったところ。漱石の神経症がどうの、鏡子夫人のヒステリー症がどうのといった記述が多く、タイトルに興味を魅かれて読んだ私には、あまり関心を持てなかった。肩透かしを喰らった格好だった。2017/12/08
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