内容説明
明治の新時代、樺戸集治監(監獄)の初代典獄(監獄の長)として北海道開拓の命を受け、囚徒と共に原生林を開墾し「月形村(現月形町)」を誕生させるまでの苦難の道のりや、九州鉄道の敷設など、時代という巨大な荒波に揉まれながらも、静かに力強く我が道を進んできたその人生を辿る。月形潔初の評伝!
目次
福岡大変(月形潔誕生;月形家の人々;ペリー来航 ほか)
北海道を拓く(北海道へ;北海道回覧記;集治監建設へ ほか)
ふるさとへ(九州鉄道会社発足;三池集治監;第二回衆議院選挙 ほか)
著者等紹介
桟比呂子[カケハシヒロコ]
北九州市生まれ。劇作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ろべると
9
石狩川沿いの月形町というところに、明治の時代に樺戸集治監という監獄があった。「ゴールデンカムイ」でその名を目にした人もいるだろう。重罪犯の収容とともに北海道の開拓に労役させることが目的で建てられたのだが、その初代典獄が福岡藩士だった月形潔であった。本書はその月形の生涯をたどる。北海道の囚人はのちに道路やトンネル工事などに駆り出されて悲劇を呼ぶのだが、月形は囚人の劣悪な環境の改善を訴えたり、出所者が当地で職につけるよう計らうなど、囚人の更生にも心を砕き地元にも貢献したようで、彼の功績は町名にも遺されている。2025/06/29
SK
0
292*前半部分は幕末から明治にかけての歴史が書かれているが、別になくても事足りる。また、潔の心情が描かれていて、小説めいた部分もある。2017/09/17