感想・レビュー
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金監禾重
3
野口武彦『長州戦争』に関連して。幕末、幕府首脳の混乱に翻弄され、見捨てられた小倉藩の家老。島村家はもと宇喜多の家臣で、小笠原家には小倉入封以降に仕えた新参の家系。志津摩の母は長府藩家老・迫田伊勢之助の娘で、譜代の家老から厭われそうな出自である。若くして家老に就任し、藩財政の強化に努めた。劣勢の中粘り強く戦ったところなど、長岡藩の河井継之助を思わせるが、志津摩は行きぬき、講和にあたっては藩世子を差し出せという屈辱的な条件を大胆な策で取り下げさせる。戦後は藩の建て直しのため、新時代の教育などに力を尽くした。2018/10/10




