内容説明
本書は、郭沫若の日本留学時の文学活動、留学事情および創作環境の事実検証を主軸に、彼の文学作品論を展開していく。そして彼の留学時代の足跡を追いながら、政治思想、文学思想の受容関係を探り、一介の医学留学生が現代中国の代表的な文学者にまで成長した過程と、若き詩人郭沫若のより真実な人間像を突き止め、郭沫若研究における空白の領域をなくすことを目指している。
目次
第１部 実証編（第一高等学校特設予科時代まで；第六高等学校時代；郭沫若と九州帝国大学；在学中の交友関係；福岡在留時の生活に関する考察）
第２部 作品・思想論考編（郭沫若の初期文学論考；『女神』の時代；小説創作の試み；“五四”退潮期の苦悶と思索；“五四”時期の伝統文化観）
