内容説明
本書には、神話から現在の村落に至るまで日韓両文化の基層へのアプローチを試みた七編の論考が収めてある。まず、比較試論の可能性と当為性を、古代文化の実像をふまえて記述し、中世以後、互いに異なる文化として展開された両文化の本質にふれており、次に、日本古代文化の中にある韓文化との比較の試みと、具体的にその実像の分析を試みた比較試論へと進む。また、韓国における民俗祭儀(村祭り)、食文化などに関する二編の論考も収録する。
目次
第1章 日韓文化の比較を巡る幾つかの視点
第2章 新羅及び古代日本の神仏習合について
第3章 韓国の血縁共同体―いわゆる同族村落をめぐる若干の覚え書
第4章 日韓両国のいわゆる「同族」村落に関する比較研究
第5章 東アジア諸地域の族体系について―族体系の理念と実態からみた連続と変容に関する比較試論
第6章 礼俗と民俗の変容に関わる一試論―東海岸一農漁村における民俗祭儀の班礼化現象
第7章 韓民族の食文化