内容説明
七悲劇を年代順に取り扱っているが、七悲劇、それぞれの中に描かれている人間の様々な生きざまと、その生きざまの中に、越えて厳然として輝いている人間の崇高性に注目しながら論を展開していった。特に、現代社会においても大きな問題となる、人間のアイデンティティーの問題を中心に、各悲劇の中核を探ぐることを試みた。
目次
第1章 『ジュリアス・シーザー』―ブルータスの崇高性
第2章 『ハムレット』―混沌のなかの良心
第3章 『オセロー』―犠牲者としてのオセロ
第4章 『リア王』―人間悲劇の極限
第5章 『マクベス』―加害者、犠牲者としてのマクベス
第6章 『アントニーとクレオパトラ』―悲劇性の限界
第7章 『コリオレイナス』―悲劇性の新基調