内容説明
文学史上、大正文学の規定には諸説があるが、ここでは大正期以降に主に活躍した作家10名を選び、それらの作家の代表的な短編ないしは問題作を一篇選び出し、その成立年代順に並べて全体を構成している。小篇といえども作品を全体として読解し、小説を論じる態度を培うことを目的に、作品は全文掲載の形で取り上げている。
目次
谷崎潤一郎「刺青」(影山恒男)
志賀直哉「出来事」(江頭太助)
佐藤春夫「西班牙犬の家」(首藤基澄)
有島武郎「凱旋」(宮野光男)
広津和郎「師崎行」(原武哲)
宇野浩二「苦の世界・浮世風呂」(海老井英次)
内田百〓「冥途」(中原豊)
芥川龍之介「藪の中」(松本常彦)
葛西善蔵「湖畔手記」(広瀬晋也)
葉山嘉樹「淫売婦」(江後寛士)