内容説明
“自分だって、大丈夫じゃないのに…”と感じながら生きるすべての人へ。愛おしさ100%のヒーリング・エッセイ。韓国「第18回ハンミ随筆文学賞」優秀賞受賞。
目次
プロローグ 僕とあなたのよみがえり記録
蘇生記録No.1 ディスタンス
蘇生記録No.2 認める
蘇生記録No.3 適応
蘇生記録No.4 バランス
蘇生記録No.5 応える
エピローグ だけど本当は、僕だって大丈夫じゃない
著者等紹介
キムシヨン[キムシヨン]
韓国の片田舎に位置する、五日市が立つ広場の傍らで診療所を営む医師。医大で学んだ後、人命救助の最前線に身を置きたくて、長い間ERと霊安室の間を右往左往する。十数年前、何の因果か町医者となり、緊迫していた前職とは打って変わった平和な場所に身を置く日常に。子どもの頃から暇を見つけては書いていた日記を再び綴り始めたところ、またもや何の因果かそれらの文章がハンミ随筆文学賞を受賞し、出版されることになる
岡崎暢子[オカザキノブコ]
韓日翻訳家・編集者。韓国人留学生向けフリーペーパーや韓国語学習誌、韓流ムック、翻訳書籍などの編集を手掛けながら翻訳に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
9
エッセイとしては、今年読んだ中でいちばん良かった。著者は韓国でいわゆる町医者をしている、キム・シヨンさん。原題は「大丈夫、死なないから」。考えてみると私も高血圧の薬を飲み、月に一度通う診療所の先生に「大丈夫ですね」と言われに行く生活を送っているのである。そしてそれは「生きてても大丈夫」と言う意味に翻訳しながら。2021/11/27
テリトリーM
5
原題は「大丈夫、死なないから」。これはERから町の診療所に転職した医者の診察を終わらせる幕引きワードだった。診察を続けるうちに、老人たちとの掛け合い、気遣いに戸惑いながら彼は変化していく。「老いに適合していく」「昨日よりマシな医者になろうと努力する」そして、また患者さんと次の診療で出会えることを楽しみにしている。だって「誰だって死ぬじゃん」。時間や手間をかけてでも「先生」に診てもらいたい患者さんがいるって本当に幸せなことだ。診療の片手間で日常を綴ったお話だけれど、いろんなことを私にも気づかせてくれた。2021/10/08
Yumiko Maura
1
優しい気持ちになる😌2023/11/29
Yoshimi
1
韓国の開業医のおはなし。 韓国も日本も、医療従事者は同じ気持ちになるのだと知った一冊。 一見、刺激の少ない毎日でも幸せは散りばめられていて…生かし生かされている。 個人的には、最後の 応える にある#37謝罪文 にめちゃくちゃ共感し、#38プレゼント で感動した。2022/06/12
at@n
1
治療を通して、医療者もまたケアされているのだという日々の実感が暖かいが、おばあさんにお菓子や野菜などの食べ物をもらうエピソードがやたら多いのが少し気になった。感じのいいおじいさんも少しは出てくるのだが、食べ物をあげるかわいらしいおばあさんにならないと病院でも大事にしてもらえないのだろうかと少し不安になる。もちろん韓国と日本の医療と文化の違いも表れているのだと思うが。2021/10/06