内容説明
「時をかける少女」細田守監督最新作、映画「サマーウォーズ」の裏側、見せます。任天堂・宮本茂氏との歴史的対談も実現。
目次
サマーウォーズグラビア
『サマーウォーズ』の仕事場アイディアのマチエール
『時をかける少女』から『サマーウォーズ』までの1000日―細田守とスタッフの証言で綴る、『サマーウォーズ』ができるまで
『サマーウォーズ』を終えて―証言者から細田守への質問
脚本家・奥寺佐渡子が歩んだ『サマーウォーズ』への道
細田守ロングインタビュー 日本映画の文脈から紐解く『サマーウォーズ』
私にとっての『サマーウォーズ』制作現場から 上條安里(プロダクションデザイナー)
松本晃彦(作曲家)
高橋望(日本テレビプロデューサー)
対談 青山浩行(『サマーウォーズ』作画監督)×細田守―『サマーウォーズ』のキャラクターの演技はいかにしてできたか?
特別対談 宮本茂(任天堂専務取締役)×細田守〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士さん
4
このシリーズでも、非スタジオ雄系によるものは期待していなかったのですが、良かった。某巻はどうしてああなった。その実「サマーウォーズ」宣伝本ですが、時系列のメイキングは貴重ですし、関係ないかに見える宮本さんとの対談もちゃんと内容があって、読ませるものでした。もちろん本人とメインスタッフの証言にも発見があります。特に、厳密に一般向けの商品を求められる東映動画で受けた教育を作品作りの背景としていることが語られており、作家として喧伝される劇場作品監督との絶妙なギャップが垣間見えるところがおもしろかったです。2024/01/30
homkithi
1
細田監督を始めとする『サマーウォーズ』を巡る人々の思い入れが「証言者」の言として記されています。こうした「思い入れ」を知ることは、作品を楽しむのに必要だとは思いません。が、作品に対する愛情は、一観客にすぎぬ私と、生みの親々とではやはり違い、その愛情を知ることで、違う楽しみ方ができると思います。「どんな映画でも正解はひとつしかない。正解を探すのが大変なんだ。いくつもはないんです、必ずひとつだけなんですよ」という(引用された)細田監督の言葉、そして作中と現実での死を巡る話が印象的でした。2009/08/26
ささけん
0
細田守監督の考えがわかる本
参謀
0
細田守と名を打ってはいますが、中心は『サマーウォーズ』の制作秘話です。 監督中心の話と思いきや、スタッフの語りが多く、制作チームとしての視点で『サマーウォーズ』を知ることができます。 2012/07/15
m_hachi04
0
新作「おおかみこどもの雨と雪」の前売りも買って、準備万端状態で過去の名作のメイキングを、読み返す。ラストの宮本さんとの対談が素晴らしい。万人に受け入れられるものは、そうやって考えられていたのか。マスに受け入れられることの難しさと、それでもそこを目指さなければ、世界が広がらない、という事実。気付いても、実現することの難しさを考えると、二の足を踏みたくなるはずなのに、あえてそこに向かう真摯な姿勢が、細田作品のあの爽やかさの根元なのかもしれない。2012/07/08