内容説明
いつ発病するとも分からぬ不治の病エイズに感染しながらも草花の生長を慈しむ影像詩人デレク・ジャーマン。ハワード・ブルックナーをはじめ次々と病に倒れていく友人たち…。彼らを想いながら綴る、初恋の人、大学生での初めての体験、両親との関係、映画製作について。現代の自然を発見した映像詩人ジャーマンの、クリエイターとしてエイズキャリアとしての悲痛なまでの心の叫びに驚き、打ちのめされる、衝撃の日記。
目次
プロスペクトコテージ、ここには壁も塀もない。私の庭の境界線は地平線だ。
幼年期の思い出―イタリアの楽園とイギリスの空軍基地。
私の最初の庭は小学生の頃。もし運命が違っていたらアマチュア園芸家ではなくプロの庭師になっていただろう。
最愛の友人ハワード・ブルックナーが恐ろしい伝染病に侵されていく。世界で涙が一杯になることを恐れて凍りつく感情。
“エイズの映画監督―掘っ建て小屋で死を待つ”と新聞に載る。ジャーナリストの良心はどうなっているのか。
ペットショップ・ボーイズのコンサート用のフィルムを製作。“フィルム・ウォール”は素晴らしい出来。
1960年、私はまだ18歳だった。もしその十年が若者のためにあったのなら、60年代は私のものだった。
我々にはバロウズのゲイの兵士たちが必要だ。私が銃を取らずに済んでいるのは、慎ましさと遠慮を重んじるイギリスの教育のおかげだ。
秋の日々。モイラ伯母さんと再会する。
展覧会のオープン。ディスカッションを通して、これを気に入っていない人たちに悲しい気持ちにさせられた。〔ほか〕
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