内容説明
ペレストロイカ以前魂の荒野をさまよいながら、時間や神に思いをめぐらし、独自に知の大系を紡いでいったこの天才映画監督の、あまりに人間的な叫びが、そして数々の傑作の苦難にみちた成立の過程が―。いま、原型のままここにある。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きりさめ
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この天才でさえ、普通の人のように時勢や人間関係に悩まされていたのかと思うと、よりいっそう彼の映画が愛おしくなる。実際に世に出ている作品数以上に構想されたストーリーの数が多く、時代や国が違えば制作されていたかもしれないし観れたかもしれないと思うと悔しいが、「鏡」や「ストーカー」などの幻想的な映画の数々はあの時代でしか作れないものだろう。2018/05/26
こんな本を読んだよ
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当然断片的だが興味深い。列挙すると、禅に熱中し、「ルビュロフ」をソルジェニーツィンに見て貰いたいと思い、サボナローラとボッティチェリの関係を調べようとし、F・ゴレンシュテインの「詩編」に感動し、マンはドストエフスキーに似ているが形が違うと感じる、など。「白痴」の映像化への強い思いが印象的。引用も多い。いい文章を書くためには文法を忘れねば(ゲーテ)ドストエフスキーはどんな思想家より多くのものを教えてくれる(アインシュタイン)ところで、イタリア旅行というのは、西洋の知識人にとっては特別な意味を持つのかな?2012/01/09
ドロレス
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タルコフスキーについてあまりにも多くの人があまりに勘違いなことを書いているが、それより日記とポエジアを繰り返し読む方が遥かに意味があると思う。なお晩年、砂漠の聖アントニウスの映画を構想、プロットもある程度できてたらしい。
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とても面白い本だった。彼の映画について考えるヒントがたくさん散りばめられていた。ていうかハムレットを撮ってほしかったよ!最後の日の記述はあまりにも切ない2022/01/23
石橋 こわし
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発表のために読んだけど、タルコフスキーの思想は難しくて、分からない。 七割は愚痴と悪口。2016/06/25