内容説明
本書は、歴史学・民俗学・文化人類学の立場から、現在も伝統として残っている「聖域」や「聖地」の問題を考察する。京都の神社の祭祀圏・一揆の空間意識・住居内の神棚・鯨船神事・山と里の対立構造・宇佐八幡の放生会・バリ島の祭礼・琉球王朝の祭祀などを題材にして、多面的に聖域をとらえる。
目次
神々の領域―京都の氏子区域の形成
一揆における結集の場
厄年の習俗からみた神棚
鯨船神事の成立―民俗的背景からみた一試論
女人禁制と山の神―女性差別をめぐる山と里の対立構造
宇佐八幡放生会と水神祭
バリ島のウサバ・カサ祭礼―主たる儀礼行動と儀礼空間との関係を中心に
琉球の王と神女