内容説明
化学の本当のエッセンスを知ることによって、日常生活の有用な知識が得られ、あるいは、無用な不安から開放される。「化学」の視点で世界を考える現代を生きる人たちのための『新“化学”入門』。
目次
第1部 まずは歴史を遡る(1770年という時代;原子論は誰が言い出したか;新しい文字を発明した化学;続々発見される新元素;熱とエネルギー;アボガドロ数の効用;とうとう元素を作ることができるようになった;科学の化学から実用の化学へ)
第2部 生化学の発展(生命の場としての地球;生命現象は化学反応か?;遺伝も化学反応か?)
第3部 応用編これまでの化学の知識がどのような考え方に発展するのか(強力な毒物のリスク;アボガドロ数の詐欺マイナスイオン;都合の良い未知のこと ほか)
著者等紹介
安井至[ヤスイイタル]
1945年東京都生まれ。製品評価技術基盤機構(NITE)理事長。国際連合大学名誉副学長。東京大学名誉教授。工学博士。1973年東京大学大学院工学研究科博士課程修了。1990年東京大学生産技術研究所教授。同大学国際・産学共同研究センター教授、センター長を経て2003年国際連合大学副学長に就任。2009年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chokujin
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セラミックスの会社に勤めているので、かつてセラミックスの研究をしていた安井至先生の名前を知っていた。先生が何を書いているのか興味を持って読んでみた。前半は化学と生化学の歴史を概観し復習になった。基本中の基本の知識を再確認でき、また、それがどういう経緯で世に知られたかは面白かった。後半は近年さまざまに言われている健康被害や健康増進法などへの科学的検証を行って持論を展開している。「ないわけではない」「可能性がある」「かもしれない」が頻発し、説得力に欠ける論考が多く感じた。批判精神で読めば頭の体操にはなる。2012/02/29