内容説明
女性の自立と命の尊厳を描く。西洋医学の知識をベースに、母体を守り新生児の命を取り上げた黎明期の産婆・多希の生涯。
目次
第1章 故郷 屈巣村
第2章 出会いと別れ
第3章 新たな旅立ち 東京へ
第4章 産婆として沖縄へ
第5章 戦争と平和の狭間で
第6章 最終章
著者等紹介
渡辺せつ子[ワタナベセツコ]
埼玉県生まれ。法政大学文学部史学科卒。埼玉県職員として勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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S.Mori
11
明治時代に産婆として働いた藤村多希と言う女性を描いた小説です。小説として読んでも面白いですし、歴史書としても読めます。小説としては、江戸から明治への時代の変化の描き方が巧みです。新橋と横浜の間に鉄道が通った時のことを始めとして新しい時代の息吹が伝わってきます。歴史的な部分では江戸にくらべて女性の権利は高まったとはいえ、男尊女卑の風潮に阻まれて、多希が産婆として働くのに苦労したことなどが書かれています。自分がとりあげた子供が戦争で命を落とすのが悲しかったという部分が、一番心に残りました。2020/03/02
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