内容説明
朝廷から異民族視された南九州の隼人族は、朝廷軍に投降後、数世紀に亘って武器の製造を禁じられていた。平安時代中期、その隼人の国に、突如、天皇の守り刀を鍛えるほどの名工が現れた。以来、その門流は波之平鍛冶として幕末・明治まで連綿と命脈を保っていく。これは薩摩刀一千年の礎を築いた初代波平行安の、天に導かれたような生涯を描いた作品である。第18回歴史浪漫文学賞特別賞受賞作。
著者等紹介
波平由紀靖[ナミノヒラユキヤス]
昭和26年、鹿児島県指宿市に生まれる「天鉄」で南日本新聞・新春文芸入選。九州芸術祭文学賞鹿児島地区優秀賞受賞(第22回、第27回、第32回、第37回)。「薩摩刀匂えり」で、第4回「中・近世文学大賞」優秀賞受賞。「狗吠」で、第18回「歴史浪漫文学賞」特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
宇宙猫
13
挫折 平安時代の刀鍛冶の話。儀式とか色々面白かったけど、登場人物の描写が薄いから読み物としてはいまいち。小説より新書として読みたい。2018/10/04
vocal
1
全く挫折なし、スムーズで全てに成功していく。 読みやすかったけど、物足りない感じ。 作家さんの名前の由来になるほど思い入れがあるんだろうね。 2018/10/20
machidataketomo
0
鹿児島在住の方には面白い本。川内、金峰町、川辺、谷山、魚見町などなどを舞台にした西暦1000年頃の小説。大和国から来た隼人の末裔が薩摩で刀鍛冶を根深していく物語。刀剣好きの方、波平、宗近などの方にもお薦め。2021/06/18