内容説明
自らを完成していくスイス時代の波乱に満ちた生活と作品を描く…
目次
1 大戦と二人の若い女性(一九一四年秋‐一九一八年末)
2 スイス移住―不安と恩寵(一九一九年夏‐一九二〇年秋)
3 メルリーヌ―リルケ最後の恋人(一九一九年夏‐一九二六年末)
4 『猫』と『C・W伯の遺稿から』―焦りと絶望(一九二〇年秋―一九二一年春)
5 新しい隠れ家ミュゾットの館(一九二一年六月‐一九二六年末)
6 『ドゥイノの悲歌』の完成(‐一九二二年二月)
7 ジッドとピエール(一九二二年四月‐)
8 解き放たれて―フランス語詩集(一九二二年‐一九二六年)
9 ヴァル=モンからパリへ(一九二三年‐一九二五年)
10 小詩集『窓』(一九二四年‐一九二六年)
11 壮絶な死(一九二六年十二月―一九二七年葬送まで)
著者等紹介
太田光一[オオタコウイチ]
1938年1月横浜生まれ。1960年3月東京工業大学理工学部卒業。1960年4月日本軽金属(株)に入社、技術開発、工場設計、工場建設、工場経営など主に技術畑で活躍す。1983年4月縁あってドイツ・メルク社(本社ダルムシュタット)の日本法人メルク・ジャパン(株)(現メルク株式会社)に転職し、日本における生産拠点の新・増設など、日独の橋渡し役としてメルク社の企業発展に貢献す。1999年3月メルク・ジャパン(株)常務取締役退任後、文学研究に専念し今日に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
87
専門の文学研究者ではない市井のサラリーマンの方がこれほどのリルケに関する著作をものにしたことに驚かされました。私もリルケは好きなのですがこれほどに入れ込むことはできません。かなりのことを犠牲にしないとできないことだという気がします。晩年まで「ドゥイノの悲歌」のこだわったリルケの生きざまをかなり克明に追われています。私も少しはリルケを読んできていますが、この作品(ドゥイノの悲歌)を再度読んでみようという気にさせてくれました。著者はあとがきでも書いています。若い人に読んでくれと。2023/10/22