内容説明
昭和二十年春、僕は学童疎開で長野県松代の温泉宿にいた…。時代を覆いつくした重苦しく不快な塊が、飢餓状態の少年たちを侵食していく。終戦前後の混乱期を生き抜いた著者(第55回芥川賞最終候補作家)の反戦へのレクイエム。
目次
1 温泉旅館(疎開列車の中の饗宴;洒落た赤屋根 ほか)
2 飢餓草子(父の死;島田兄弟 ほか)
3 坂落ち(歌が違った;山が背を伸ばす ほか)
4 ハロー・ボーイ(空襲;竹薮へ避難せよ ほか)
5 浦島小太郎(帰京;荻窪にて ほか)
著者等紹介
大野正重[オオノマサシゲ]
昭和9年生まれ。東京学芸大学卒業。都立航空工業高等専門学校勤務。平成5年退職。昭和41年作品「アルカ小屋」が同人詩推薦作として「文学界」に掲載され、同年上期芥川賞最終候補作品になるも、同期受賞者なし(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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