内容説明
観世座の大夫・作家・演者として、波乱万丈の生涯の果てに、猿楽を現代にも生き続ける能にまで磨き上げた男・世阿弥。『風姿花伝』『花鏡』『拾玉得花』などの能楽論と『砧』『班女』『関寺小町』などの作品の推移から、幽玄美の奥に潜んだ「人間性の解放」を解き明かした書。第五回歴史浪漫文学賞研究部門特別賞受賞作品。
目次
1 序―二つの出自伝承
2 誕生より修行時代
3 観阿弥の芸能
4 幽玄無上―義満から義持へ
5 ヒューマニズム開眼―「夢幻能」から「現在能」へ
6 絶対美―権力からの独立
7 ヒューマニズムの断絶―狂気の将軍義教
著者等紹介
太田光一[オオタコウイチ]
1938年1月横浜生まれ。1960年3月東京工業大学理工学部卒業。著書に『大伴家持』(郁朋社。2002年。第2回『古代ロマン文学大賞』研究部門優秀賞受賞作)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。