内容説明
日本列島に、水田稲作の技術をもった人々が海を渡って来たことは事実だが、彼らがどこから、どうやって渡ってきたかはわかっていない。しかし、そこに海を活躍の場とした海人が関わっていたことは否めない。その海人の安曇族について調べていくと、彼らは紀元前四七三年に亡びた呉からの亡命者であり、後から続いて中国大陸から亡命して来る人々を日本列島の水田稲作適地へ入植させ、豊芦原瑞穂の国の基礎に大きく貢献していたことがわかってきた。定説では「海人の陸上がり」と称され、安曇野を始めとする全国の安曇族ゆかりの地は安曇族自身が入植したとされているが、それらの地を訪ねる旅を楽しみながら、これまでの古代史に疑問符を投げかけた。古代日本列島で、海人の安曇族はいかなる活動をしたのか…第4回「古代ロマン文学大賞」研究部門最終選考通過作品。
目次
1 安曇族の根拠地志賀島と金印(島全体がワタツミの聖域;安曇族はワタツミの子孫 ほか)
2 弥生時代を拓いた安曇族(倭は日本列島だけでない;奴国の由来は呉音のドンから ほか)
3 安曇族ゆかりの地を訪ねる(現代の地名アヅミ・シカ地;安曇の由来は呉音のアドンから ほか)
4 水田稲作と養蚕の適地へ入植(川の上流に入植した理由;中国大陸から水田稲作と養蚕技術を ほか)
著者等紹介
亀山勝[カメヤマカツ]
1938年若松市(現北九州市)生まれ。1964年水産大学校増殖学科卒業。神奈川県水産試験場勤務。同指導普及部長。神奈川県漁業無線局長、神奈川海区漁業調整委員会事務局長、全国海区漁業調整委員会連合会事務局長、神奈川県漁業協同組合連合会考査役などを歴任。現在、東京湾水産資源生態調査委員
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