目次
アニメ聖地巡礼と戦国史蹟巡礼を研究するために
第1部 アニメ聖地巡礼(生成する伝統としてのアニメ聖地巡礼―巡礼ノートから;アニメ聖地に奉納された絵馬に見られる祈りや願い)
第2部 戦国史蹟巡礼(おもてなし武将隊と戦国史蹟巡礼;博物館と新しい「歴史」ブーム)
サブカルチャー聖地巡礼の研究に向けて
著者等紹介
由谷裕哉[ヨシタニヒロヤ]
1955年石川県生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位修得、博士(社会学)。専攻、宗教民俗学、社会学。現在、小松短期大学教授。日本山岳修験学会理事、日本宗教学会評議員、日本民俗学会評議員、加能民俗の会副会長
佐藤喜久一郎[サトウキクイチロウ]
1974年群馬県生まれ。筑波大学大学院歴史・人類学研究科修了、博士(文学)。専攻、宗教民俗学、歴史民俗学。現在、特定非営利活動法人ひつじ大学理事長。群馬県高崎市で文化振興と活性化に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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富士さん
4
金儲けに踊らされている旅行と神聖な宗教心を一緒にするなと言われているようで、アニメの舞台を巡ることを聖地巡礼と呼ぶのを忌避する向きに反感を持っていたので、本書には大賛成です。しかし、逆に本書は聖性に重きを置きすぎているような気がします。宗教的な聖地巡礼にも純粋な聖性と同時に生臭い商業性がつきもので、その均衡によって成り立つのだと思います。ですので、コンテンツの聖地巡礼も、営利目的の作品と作品を想う真摯な情熱があって成り立つもので、これは二律背反ではなく、その点でふたつとも聖地巡礼と称し得るのだと思います。2019/06/03
吃逆堂
1
アニメファンによるアニメの聖地巡礼と、ライトな歴史ファンによる史蹟巡礼について。特に前者は、これまでの観光学(コンテンツツーリズム)や現代文化論(オタク文化論)的な切り口ではなく、民俗学的な観点(原義的な聖地巡礼)からという、一風変わった切り込み方。タイトルにも使われている「サブカルチャー」の定義には不安を覚えなくもないが、前者はその独自の視点・視角と手法について、後者は対象ジャンルと研究の世界との接点の模索が示唆的であり、学ぶべき点が多かった。2016/06/20
レグルス
0
卒論の文献として読了。P.A.worksって石川県にあるのね…花咲くいろはとかがご当地アニメとは知らなかった。個人的にはアニメ聖地は数あれどそれまで宗教的な権威を持っていた寺社仏閣にアニメを通して行く本来の意味での聖地巡礼が増えるという話が面白かった。でも痛絵馬とかそこに書かれてる願望は果たしてこの本で描かれてるような大層なものだったのかは疑問なんだけどまあ調べる術がないから難しい。2016/10/11
hayate
0
今までの「オタク」的なアプローチとは一線を画した聖地巡礼研究。伝統的な聖地巡礼との同じ文脈にあると著者は指摘する。また「アニメ」のみならず、「サブカルチャー」というように研究対象を包括したのは先駆的かもしれない。理論的な枠組みで調査内容の分析方法が変わってくるが、調査の内容といえば、特に先行研究とやっていることとは変わらなかったりする。絵馬や、巡礼ノートの分析など。聖地巡礼に関して新しい知見があるものというより、著者の立ち位置や理論的な枠組みについて参考になったと言える。2014/12/18
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