感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kenitirokikuti
8
図書館にて。『今昔百鬼拾遺 河童』を読んで、河童を復習中。本書、「歴博フォーラム 民俗展示の新構築」というシリーズ。佐倉市の国立歴史民俗博物館、総合展示第四室(民俗)「日本人の民俗世界」は1985年開く、2010年閉じる。2013年に「列島の民俗文化」として新オープン。それに先立って行われたフォーラムを書籍化したもののひとつ▲小馬徹「肥前渋江氏と河童信仰の形成ー河童人形起源説再論ー」。うーむ、柳田民俗学の方法論の問題点が河童(ひょうすべ)論に現れている、と。2023/09/14
大臣ぐサン
1
河童とは何か。とても深いテーマだ。現代ではすっかり妖怪の代表格として定着している河童だが、その来歴を辿ろうとすると一筋縄ではいかない。まず、形からして違う。河童が文献上初めて登場するのは1444年成立の『下学集』と言われているが、ここでは獺が老いて河童になるとされている。河童は地方によって呼び名も違い、メドチ、ミズチ、川太郎、ガワッパ、猿猴など枚挙に暇がない。これら河童的なものは江戸時代までは生物として分類されており実在の生物ととらえられていた。河童がどのような変遷で現在のイメージになったのか。読んでみ。