感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三柴ゆよし
7
最近は故あって明治期以降の河童イメージの変遷を追っていた。普段仕事で読んだ本は記録しないことにしてるけど、これは物凄い力作なので紹介。タイトルにもあるとおり、本書は明治・大正・昭和の文献および絵画(民俗調査報告書から小説漫画果てはカストリ雑誌の記事まで)に現われた河童を年表形式で整理した資料集である。通読するだけでも疲れる大著だが(メモとりながら斜め読みしただけで眩暈が……)、著者はその幾千倍も疲弊したに違いない。気が遠くなる作業だよこれ。今後本書以上の資料集はまず出ないだろうと断言できる。尊敬。2010/10/26