内容説明
本書は、日本の中世社会における人々・集団間の様々な対立、紛争と、その解決への行動を究明しようとするもので、その前提として人々が生きていくこと、地域という生活舞台の上で生命をかけた営みや共生の仕方を作り上げている実態を追ったものである。立教大学の藤木久志氏の演習の調査実習から、小林一岳氏が主宰する村落交流史研究会での研究会と現地調査へと、30年以上の実績を重ね、その成果は、『荘園と村を歩く1・2』(校倉書房)、『山間荘園の地頭と村落』(岩田書院)として刊行。本書は、それに続く成果。
目次
紛争の解決と階級関係
1 戦乱と兵(戦場の中の東寺境内;軍勢駐屯と「宿札」慣行;百姓層の武家被官化と守護権力;戦国大名上杉氏の地下人動員について;大崎氏「天文の内乱」の一考察)
2 融通の構造(徳政における取戻しの実態;戦国期地域社会における憑子の構造)
3 生存と相論(公家政権と神人;山野紛争と十四世紀地域社会―山城国禅定寺・曾束荘山野紛争をめぐって;相論解決回路としての山伏の通交―近江湖北・湖東の修験を素材として;戦国期近江における村落間漁業権・湖岸利用権相論;湖西の村の「生存史」―鵜川をめぐる小松・打下の三百年闘争;ある荘園の損免と災害―東寺領播磨国矢野荘のばあい)
著者等紹介
蔵持重裕[クラモチシゲヒロ]
1948年東京都に生まれる。1972年立教大学文学部史学科卒業。1982年一橋大学大学院経済学研究科博士課程後期退学。立教大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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